ホットヨガの最大の特徴は、高温多湿の環境のなかで行なうことです。ヨガスタジオなどによって若干異なりますが、室温は38度以上、湿度60パーセント以上という環境が一般的です。

もともとホットヨガは「ビクラムヨガ」が変化したものとされています。ビクラムヨガとはインド生まれのビクラム・チョードリー氏が創設したもの。室温40度、湿度55パーセントの環境のなかで、2種類の呼吸法と26種類のポーズを行ないます。

ビクラムヨガが誕生するきっかけは、日本の寒さでした。1970年2月、ビクラム氏が東京でヨガを教えたとき、生徒たちのからだの動きが鈍いことに気づいたのです。原因は寒さ。一年中気温の高いインドとくらべると、真冬の東京は極寒ともいえます。その寒さを解消しようと生徒たちがストーブを持ち寄り、室温を高くしてみたところ、みなの動きが劇的に向上しました。これがビクラムヨガ誕生のきっかけとなったわけです。ですから、なぜ高温多湿なのかというと、本場インドの環境を再現するという意味合いもありますが、からだを動かしやすいためでもあるのです。

実は38度〜40度というのは人間の筋肉がもっとも柔軟になる温度。からだが硬いため前屈をしたときに床に手がつかないかたもいますが、そんなかたでもホットヨガを開始した直後から柔軟性があらわれ、レッスン終了後にはしっかり手がつくようになっているというケースも珍しくはありません。からだが柔らかければヨガのポーズもしやすいですし、ケガを防げるというメリットもあります。

では、湿度はどうなのかというと、人間は湿度が低すぎても高すぎても不快に感じます。とくにホットヨガの場合、いかんせん高温の室内ですから大量の汗をかきます。湿度が低いと、汗をかいてもすぐに蒸発して肌が乾燥してしまいますし、逆に湿度が高すぎると汗が蒸発しないため、ねっとりベタベタ感が続くことになります。人間がもっとも快適に感じるのが湿度60パーセント前後です。このためホットヨガの環境下では、高温ではありますが、気持ちよくヨガを実践することができるわけです。

ビクラムヨガとホットヨガは温度や湿度の設定に違いはありますが、そのほか大きく違う点もあります。ビクラムヨガでは26種類と決められているポーズが、ホットヨガの場合、数十種類あることです。

「ホットヨガ」という名称が知られ、広まるようになってからというもの、ポーズの数よりも高温多湿という環境のほうが重視されるようになりました。そのため、ビクラム氏のスタジオ以外ではポーズの数は厳密ではなくなったという経緯があります。

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